心の底から文法書が欲しくなる不思議
外国語の文法学習。これにポジティブなイメージを持つ人はまずいないでしょう。ところが、中国語学習ではピンインをマスターし、字幕勉強法を開始した辺りから、文法の勉強がしたくてたまらなくなります。これは漢字を共有する中国語ならではの現象だと思います。
まず字幕勉強法を始めると、漢字を通して大まかなニュアンスが理解できる様になり、次第にその能力が向上していきます。この過程に到達すると、ほとんどの人が中国語での表現にチャレンジすることでしょう。
ところいざ表現しようとすると、「聞くと読む」で意思を捉えられるようになった中国語が、途端にモヤモヤとしてしまいます。それは物忘れを一所懸命思い出そうとする、あのソワソワとした、なんとももどかしい気持ちに似ています。
ここで心の底から文法を渇望する強い学習意欲がメキメキとわいてきます。日本語と距離のある英語や他の言語では、この状態に達するまでに多くの人が挫折してしまいますが、親和性のある中国語ではピンインさえクリアできれば、ほとんどの人がここに到達できます。なにより、中国語発音の基礎が最短距離でそこへ導いてくれます。
相原先生の「Why?にこたえるはじめての中国語の文法書」の一冊でOK
さて、文法書はWhy?にこたえるはじめての中国語の文法書で決まりです。本書は中国語習得者であれば誰もが手にする一冊で、私自身も中国語を専攻する友人や、中国で働く多くの方から勧められました。
今読み返しても、この一冊に生活や仕事で使うすべての用法が詰め込まれており、これ以外の文法書を購入する必要ないと感じます。
中国語中級者だからできる、挫折しない勉強法

しかも重い
実は本書は、300ページ、全35課となかなかのボリュームで、これを順番通りに進めると、文法渇望状態の人でもかなりの確率で挫折するため、注意が必要です。本書の進め方は「基礎を身につけたら、欲望のままに進める」です。
まずは第九課まで続く文法基礎を片付けましょう。これらは中国語発音の基礎の後半部分を補足する内容で、サクサクと面白い様に進められますし、中国語のモヤモヤが次々とクリアにされていきます。尚、この一課から九課をマスターすると、すでに簡単なコミュニケーションができるようになっています。具体的には、挨拶、買い物、食事、タクシー移動が可能なレベルです。
さて、この9課を終えてからがWhy?にこたえるはじめての中国語の文法書のミソです。本書は順番通りに課を進めなくとも、飛ばし飛ばしに学習できます(後半に行くと多少難しい言い回しが増えますが)。よってモヤモヤしている、最も渇望する文法表現から手をつけることが出来、次々と霧が晴れ渡っていく、語学学習の醍醐味を存分に味わいながら学習を進められます。
例えば「能,会,可以」の違いであれば18課、口語で多用される「〜的」は14課、疑問の用法が気になれば11課といった具合です。
豊富な用例と詳しい解説、優れた練習問題
もう少し、本書の特徴を紹介しておきましょう。
まず最も優れている点は、すぐに使える用例や簡単に応用できる例文が豊富に掲載されている点です。またそれぞれの課についても、短い例文でスタートし、それが徐々に長文の用法にステップアップしていくため、無理なく着実に進めらます。
相原先生による詳しい解説もその一つで、ニュアンスの微妙な違いや、決して文法の教科書通りではない「生きた中国語」についても理解を深められます。
課の最後には練習問題があり、その日に学習した内容を反復しながら解くことになります。この練習問題は心地よい難易度で、課の内容をしっかりと身につけられます。
高い学習意欲とそれを受け止めてくれる質の高い教科書で、中国語スキルが急上昇します。
ピンイン、字幕、文法の最強コラボ
いままで隠していましたが、本書にはなぜかCDが付いていません。この良書にCDが付いていないのは非常に残念なのですが、中国語発音の基礎を終えた中級レベルであれば難なく進められます。
つまり、Why?にこたえるはじめての中国語の文法書で学習するには中国語発音の基礎でのピンイン習得が欠かせないのです。
前述したように、Why?にこたえるはじめての中国語の文法書は中国語の習得者の誰もが勧める一冊で、今読み返しても普段仕事で使っている用法がぎっちりと詰まった最高の教科書です。中国語発音の基礎で運転免許書を取得し、字幕勉強法で高速道路を走り、Why?にこたえるはじめての中国語の文法書で着実なドライビングテクニックを身につける、この二冊と字幕勉強法は最強コラボです。



中国語発音の基礎
「Why?にこたえるはじめての中国語の文法書」
「中国語発音の基礎」
「Why?にこたえるはじめての中国語の文法書」